言語学 第2版
言語学の研究分野別に、色々な研究対象やアプローチを紹介してくれる本です
1つの分野でも普段見聞きしているのと違う研究方式が紹介され、視野が狭くなっていたのに気づかされました
情報が多い分頭も使います
覚えることだらけ
言語学と言ってもとにかく広いですが、それぞれの分野に関して主要な研究対象が示されます
カバー範囲は大学の入門レベルの授業を各分野について受けたくらいあると思います
紹介に重点が置かれ、解決・解説は他に譲る、といった印象です
書面の広さに対して内容が幅広いため、重要用語の密度が下手したら歴史の教科書レベルなのではないでしょうか
特に音の構造の章はものすごいです
用語の解説も例が多い訳ではないので、引っかかった部分は適宜『明解』などで調べることになります
またも東大出版なので読者レベルの想定はかなり高いと思います
概説書ですが決して平易ではないです
入門としては用語の記憶に囚われず読み進め、その後は用語集的に使うものなのかもしれません
自分の偏りに気づいた
私は統語論中心ですが、生成文法中心で日本語学や類型論の知識が抜けていたと気づかされました
中心にする理論こそあれ、他を見なくなってしまうのには危機感があります
音声系の分野にもあまり触れてこなかったので、そういった偏りに気づいたのが有意義だったように感じます