Gliscorの名前の由来・設定考察
不死身と言ったら個人的にこのポケモン。
Gliscor
Pokemon Omega Ruby
“It observes prey while hanging inverted from branches. When the chance presents itself, it swoops!”
詳しい内容は “続きを読む” から。
概要
第四世代の追加進化、グライオンです。
アニメでもサトシの手持ちとして登場しました。
防御型の能力で、耐性も物理面に強く優秀です。
最大の個性は、第五世代から追加された特性・ポイズンヒールです。
みがわりとまもるを連打することでHPが減らない、圧倒的な詰ませ性能を誇りました。
マニューラとは、同世代での進化・似た進化方法・進化系で同じ種族値合計とマイルドにペア関係らしいです。
名前の由来
Gliscor (Fang Scorp Pokemon)
Glide “滑空する” + Scorpion “サソリ” と思われます。
見たままなのであまり言うことはなさそうです。
scorpion という単語自体に目を向けても、あまり詳しいことはわかっていません。
ギリシア語からラテン語、英語と入ってきているようですが、大元はわかりやすい複合語というわけではないようです。
一応、印欧祖語の「切る」に相当する *(s)ker- との関連性は指摘されているそうです。
ちなみに、サソリはクモ綱の生物だそうです。
虫網で捕まえることができるのも納得ですね。
図鑑説明と設定
“It observes prey while hanging inverted from branches. When the chance presents itself, it swoops!”
“枝から逆さ吊りでぶら下がりながら獲物を観察する。好機が巡ってくると、飛びかかるぞ!”
なんでそんなテンション高いの?
記述の温度差に定評があるポケモン図鑑ですが、時折「!」が見られるようなものもあります。
The chance presents itself という無生物主語の言い回しは面白いですね。
吸血鬼
蝙蝠のように逆さ吊りだったり、夜間に「するどいキバ」で進化したりと、グライオンには吸血鬼のモチーフが見られます。
後付けですがポイズンヒールの不死身もその一種かもしれません。
吸血鬼が創作で有名になり始めるのは1819年の「The Vampire」以降と言われていますが、単語としては1732年には観察されています。
起源には諸説ありますが、死体の口から血が漏れ出す現象や、早すぎる埋葬、感染症、夢遊病などが指摘されています。
生気がなく、(ものによっては)噛まれると感染する、この点ではゾンビと大差ない「Living Dead」です。
明暗(?)を分けたのは、創作での扱いのようです。
前述の「The Vampire」や、「Carmilla」「Dracula」と、初期の作品で吸血鬼は知性的な(高貴な)存在として描かれました。
この頃から見目麗しい・永遠の若さを持つなどの設定がつき始め、現在の吸血鬼のイメージの元となっているとも言われます。
弱点(退治方法)もこの歴史に倣い、初期は物理的ですが次第に神秘的なものになっていきます。
根源的には、串刺しにする、心臓部分に杭を刺す、首を刎ねる、はたまた口を釘で閉じる対症療法など汎用的な策が講じられます。
起源によっては、ニンニクなどの特定の植物や、ロザリオなどの呪術的・宗教的方策が撃退には有効とされました。
ただし、討伐に至る弱点が設定されるのは意外と最近で、今でこそ代表格の日光も苦手なだけにとどまりました。
ここから各作品で対抗方法が生み出されていき、やたらとピンポイントな弱点の多い設定が誕生することとなったと考えられます。
さて、今週のポケモンはグライオンでした。
劣化しない体が欲しい今日この頃です。
若干弱点があっても構いません。吸血鬼の読者の方がいれば勧誘お待ちしております。
それでは、来週もまたよろしくお願いします。
参考文献
Bulbapedia
Wikipedia
Online Etymology Dictionary
National Geographic