Garchompの名前の由来・設定考察
初登場で嫌われながらも後輩がさらに嫌われて評価が上がる。
なんか某YouTuberみたいなポケモンです。
Garchomp
Pokemon Moon
“The protuberances on its head serve as sensors. It can even detect distant prey.”
翻訳・解説は “続きを読む” から!
概要
第四世代の所謂600族、ガブリアスです。
ただでさえ高い総合値が的確に割り振られ、芸術とまで呼ばれた能力値を持ちます。
それゆえに普通のアタッカー、積みエース、スカーフ、砂ガブ、先発ステロ、毒守、特殊型と何をやっても一定の活躍をします。
数年もの間、対戦環境のトップに君臨しましたが、第七世代になってからはよりインチキな後輩の影響か数を減らしました。
ゲーム本編やアニメではチャンピオンのエースとして登場。
名実ともに、第四世代、ひいてはポケモンの対戦を象徴するキャラクターではないでしょうか。
名前の由来
Garchomp (Mach Pokemon)
Gargoyle “樋嘴/ガーゴイル” + Chomp “貪り食う” と言われることが多いです。
chomp に関しては、進化系を通して
nibble “かじる” → bite “噛み付く” → chomp “貪り食う” と順当に変化していくテーマがあります。
一方、頭の “Gar-” については少し意見が分かれるところです。
ガーゴイル:雨樋の役割を兼ねた怪物の彫刻、と見做されることが多いですが、決して鮫のモチーフではなく断言できません。
他には gore “凝血” や魚繋がりで gar “ガー:古代魚” なども提案されていますが、正確なところは不明です。
陸ザメって何?
英語名では鮫要素の回収が困難でしたが、一方の日本語名に鮫要素があるのかと言うと、実はあります。
学名 Carcharias taurus (カーカリアス・タウルス)という鮫の種類がいます。
日本語名をシロワニ、英語名を Sand Tiger Shark と持つこのサメが、ガブリアス全体のモチーフを支えていると思われます。
陸上の鮫という一見意味不明な設定も、sand shark という名前を見れば頷けるところがあります。
-as 自体はかなりありふれた語尾とはいえ、ここまで親和性の高いものが見つかることから、由来と見なして良いのではないでしょうか。
もちろん、earth “土” という解釈もできますが、私は少なくともダブルミーニングとしてこの説をかなり有力視しています。
なお、シロワニという名前は、別にワニなわけではなく、古典に見られるようにサメの別名です。
図鑑説明と設定
“The protuberances on its head serve as sensors. It can even detect distant prey.”
“頭の突起はセンサーとして機能する。離れた獲物さえも検知することができる。”
2文目の主語 it は、単数なので protuberances ではなく言外の Garchomp と解釈すべきでしょう。(意味上は大差ないですが)
distant “遠い/遠隔地の” は far と比べると、何らか隔てられてアクセス困難な意味合いがあります。
distant past など、時間的な遠さにも転用できます。
「あの頃」、や「前に」など、物理的な位置関係の表現を時間に転用することは、人間言語の普遍的な特性とも言われています。
before “前に” も、be + -fore “前に” と位置関係を表す語源ですし、そのまま物理的に前で、という意味合いでも使えます。
感覚器官、鮫を倒すには
鮫は鼻先に感覚器官があり、弱点であるというのは一部界隈では有名な話のようです。
これは、ロレンチーニ器官といい、微弱な電流を検知することのできる機構によります。
この器官は、1/1,000,000V程度の電圧でも感知できると言われています。
通常は鼻先にありますが、ハンマーヘッドシャークなどはその特徴的な顔の突き出た部分にこれを持ちます。
顔の横についた器官なので、この点ではガブリアスはシュモクザメに近いと言えるかもしれません。
これを逆用して、電磁波を流すことによって鮫避けとする技術も使われているらしいです。
鋭敏な感覚を持つために放電には驚いてしまうようなので、この点では、電気無効のガブリアスは鮫の類と全く異なると言えそうです。
とは言え、本体にダメージがないだけで、感覚が狂うくらいのことは起こる可能性自体は否定できませんが。
今週は、レート対戦の主人公、ガブリアスでした。
しっかり対策すれば対応できるので、今思えば良心的なポケモンでした。
私のエルフーンの重要な仮想敵でもあったので、実は復活してほしいところでもあります。
それでは、来週もまたよろしくお願いします。
参考文献
Bulbapedia
Wikipedia
Wikipedia日本語版 シロワニ ガーゴイル シュモクザメ ロレンチーニ器官
Online Etymology Dictionary