Dhelmiseの名前の由来・設定考察
今週もこんにちは
海の藻屑です
Dhelmise
Pokemon Moon
“The soul of seaweed adrift in the waves became reborn as this Pokémon. It maintains itself with new infusions of seabed detritus and seaweed.”
翻訳・解説は “続きを読む” から。
概要
第七世代、サンムーンで登場したダダリンです。
レアポケモン枠で、発売直後はGTSでの交換レートが高騰していました。
6、7のに世代だけで突然4系統にまで増えた草・霊の一種で、特性で鋼も一致相当で扱います。
釣り限定でゴースト四天王の手持ち、専用技は鋼と全ポケモン屈指の初見タイプ難問でもあります。
出現スポットでは王冠が釣れたので、稼ぎをしているとまあまあ目にすることにもなります。
名前の由来
Dhelmise (Sea Creeper Pokemon)
Helm “舵” + Demise “逝去” と思われます。
ほぼ、日本語の 堕 + 舵輪 と同じ名前と言えます。
demise はかなり形式ばった表現で、法的な停止、重要人物の死などに当てられます。
もしくはそれに伴う財産や王位などの移管を表すこともあります。
非常に語源的に近いのが dismiss “却下する” で、フランス語経由で入ったのが demise になります。
語源が同じであるにもかかわらず、demise は主に名詞、dismiss は主に動詞で用いられるという品詞の差異があります。
これは、形容詞がそのままの形で名詞化するというラテン語の性質によるものかもしれません。
分類名の creeper は creep “這う” 者、動物だと爬虫類や虫、植物だと蔦植物を表します。
某匠も同じスペルで、植物的なものでできていると言及されているので同じネーミングなのではないでしょうか。
図鑑説明と設定
“The soul of seaweed adrift in the waves became reborn as this Pokémon. It maintains itself with new infusions of seabed detritus and seaweed.”
“波に漂う海藻の魂がこのポケモンとして生まれ変わった。海底の有機堆積物や海藻の新たな取り込みによって自身を維持する。”
detritus はかなり見ない語です。
-us の語尾はラテン語直借用がほとんどなので都度対応の専門用語が多いはずです。
こういった単語の場合、酷いと辞書を引いてもそのままカタカナになっただけのものが出てきたりします。
とは言え、流石にポケモンのゲーム内テキストなのでここでは解釈不能なレベルの単語は現れませんが……
テセウスの船
次々に新しいものを取り入れて自己を保つという説明は、「テセウスの船」の思考実験にも通じるところがあります。
修理のため一部を入れ替え続け、最終的に全てが入れ替わってしまったとしたら、それは同じ船なのか、という趣旨のようです。
有名な回答としては、「同じ川に二度入ることはできない」、入れ替わったものはもはや同一ではないとするものがあり、
一方で、設計が変わらないのであればそれは同一の船である、という見方もあるようです。
さらに、2つ目の問いとして、修理のときに外した木材をとっておいて、後に同じ船の形として組み立てたら、それは元の船なのか、
新しい素材で修理されていった船と元の材料で再度組み立てた船のどちらが元の船であるのか、というものが挙げられています。
語の意味におけるプロトタイプ理論と通じるところもあるのではないでしょうか。
ある語の意味にはある心的な「典型」があり、そこにある程度近いものがその語の意味する範囲、というものです。
例えば、ツバメは翼があり飛ぶのでプロトタイプに近く文句なく「鳥」、ペンギンは翼があるが飛ばないのでまあ何とか「鳥」といった形です。
意味論はこのように哲学と重なったりもして白黒つけがたいように思うので、私はやはり文法(統語論)の方を好んでしまいます。
私が裏で「枯葉」と呼ばれていたのを知ったので今回は草/霊でした。
やや悪意があったようですが私は普通に的確だと思って笑ってしまいました
あくまでも私に対してだけですがセンスある悪口はどちらかというと口に出して欲しいタイプです
それでは、来週もまたよろしくお願いします。
参考文献
Wikipedia
Online Etymology Dictionary demise dismiss
Official Minecraft Wiki