Absolの名前の由来・設定考察
2018年も終わりですね。
今年の漢字は「災」ということで。
Absol
“ABSOL has the ability to foretell the coming of natural disasters. It lives in a harsh, rugged mountain environment. This POKéMON very rarely ventures down from the mountains.”
Pokemon Sapphire Version
翻訳・解説は “続きを読む” から!
概要
第三世代、ルビーサファイアのポケモン、アブソルです。
その見た目とアニメOPでの登場の仕方により、前世代の三犬のような伝説ポケモンに見えたと評判です。
強力な特殊技を多数覚えるものの、ステータスは物理寄りです。
そこまで全体のステータスも高くありません。
素では見た目の割に素早さもそこまでなく、耐久は低いと使いやすいと言えるポケモンではありません。
第四世代で物理特殊分離で悪の物理技を得て、第六世代ではメガを得るなど強化され、今ではやや上級者向けで活躍しています。
名前の由来
Absol (Disaster Pokemon)
諸説ありますが、absolve “無罪とする” が一番近いかと思います。
無実ながら災いをなすものと誤解される設定と対応していると考えられます。
この由来についての考察はBulbapediaが詳しく、他には
- ユダヤの伝統で不吉な名前と言われる Absalom
- 絶対的な、独立の、という意味の absolute
- 日本語名を「物騒」と関連づける
- ab- (「離れて」という接頭辞) + sol “ラテン語:太陽” = 日食
など、様々な考察がなされています。
どれもに一定の説得力があり、複数が掛けられている可能性を考えると、かなり凝ったネーミングなのかもしれません。
この点でも伝説オーラが漂いますが、一般ポケモンです。
なんなら種族値合計はドードリオにわずかに劣るくらいです。
図鑑説明と設定
“ABSOL has the ability to foretell the coming of natural disasters. It lives in a harsh, rugged mountain environment. This POKéMON very rarely ventures down from the mountains.”
“アブソルは自然災害の訪れを予知する能力を持つ。険しく、岩がちな山岳環境に住んでいる。このポケモンは極めて稀にしか敢えて山を降りるようなことはしない。”
venture “敢えて行う” は、adventure “冒険” と関連する語です。
類似の表現では、助動詞もしくは動詞という珍しい扱いをする、dare “敢えて-する” があります。
rarely “滅多に-しない” は、a を伴わない単独の little や few、seldom “ほとんど-しない” と並ぶ「準否定語」です。
それ自体に否定の意味があるので、not は伴わずに否定の訳し方をします。
逆に、notを入れてしまうと二重否定になり、正式の英語では不可になります。
(逆に言えば、「学がない」ことを示すのにセリフでわざと使ったりもします)
白澤
このポケモンのモチーフは、「白澤 (Baí Zé)」という中国の伝説上の生き物のようです。
「はくたく」という名前で日本にも伝わっています。
『鬼灯の冷徹』にも登場します。
黒い角があり、体は白く、複数の目があるようです。
目について以外は姿が共通していますね。
病魔を払うありがたい霊獣で、日本でも病の流行を知らせに現れた伝承が富山にあるようです。
どうやら白澤に悪者扱いされている事実はないようで、その点では設定が異なります。
また、災害というより病気に対抗する存在なので、この2点がポケモンでの翻案と言えるのではないでしょうか。
なお、中国の伝承の存在であればと中国語名を当たってみましたが、なんと世界共通名でアブソルです。
モチーフ、メディアでの扱い、世界共通名と、もう伝説でいいのではないでしょうか?
さて、2018年ラストとなる今週は、今年の漢字にちなんでアブソルを扱いました。
調べれば調べるほど伝説オーラが増していきます。
エアームド同様、初期設定は伝説だったのでしょうか?
今年もありがとうございました。
おかげさまで、2回目の年末を迎えることができました。
来年はおそらく新作も控えているので、期待できる年になりそうです。
それでは、来年もまたよろしくお願いします。