Pokemon of the Week 79: Zygarde

Zygardeの名前の由来・設定考察

平成最後のPotWになります。
新しい時代が始まりますね。

Zygarde (50% Forme)
“This is Zygarde’s form when it has gathered 50% of its cells. It wipes out all those who oppose it, showing not a shred of mercy.”

Pokemon Sun

翻訳・解説は “続きを読む” から!



概要

第六世代、XYのポケモン、ジガルデです。

意味ありげな能力値や設定、追加のフォルムさえ与えられてなお、パッケージを飾ることは叶っていません。

実に4つの専用技、3つのフォルム、2つの専用特性を持つ規格外のポケモンですが、前述のこともありネタにされることも多いです。

サンムーンではまさかの収集アイテム扱いもあり、かなり不憫です。

アニメでの登場もあり、設定ではとても強いのですが、ゲームでの性能もこれまた微妙です…

ただし、専用技は文句なく優秀です。


名前の由来

Zygarde (50% Forme) (Order Pokemon)

Z + Garde “仏語:守護者” と思われます。

フランス語なのは、第六世代の舞台がフランスモデルなので妥当でしょう。

カロスの伝説は名前が複雑なのか語感で補う部分が大きいのか、全体の回収が難しいです。

Bulbapediaではもっと多くの説が挙げられていますが、首をひねるものも多いです。

その中でありえそうなのは、ギリシア語のzygōtos “結合した” でしょうか。

デザインでも、初期の段階で集合体の設定が決まっていたのであれば、十分に考えられます。

分類名の order “秩序/命令(する)” は、新元号「令和」の「令」が海外でそう訳されたことで話題になりましたね。

海外メディアも慎重に背景を調査すべきなのは当然ながら、誤解されかねない文字を用いることの功罪は如何でしょう。


図鑑説明と設定

“This is Zygarde’s form when it has gathered 50% of its cells. It wipes out all those who oppose it, showing not a shred of mercy.”

“これは細胞の50%を集めたときのジガルデの姿だ。歯向かうもの全てを、慈悲の欠片さえ見せることなく掃討する。”

見た目からも心が感じられないですよね。

that (those) who – という表現は person (people) who の代わりになる表現で、作文にも使えます。

もちろん、上の文のように、that が表す内容は人間に制限されないのもポイントです。

北欧神話とカロス

彼らカロスの伝説は、北欧神話を元にデザインされています。

なぜフランスモデルなのに北欧なのかは、この際置いておきましょう。

ジガルデは、神話でも主要な神であるロキの三柱の子供をデザインの元としています。

50%フォルムはその1つ、ヨルムンガンドがベースです。

遊戯王などでの「ヨルムンガルド」表記はスペルと照合すると不正確なようです。

ミドガルズオルム、世界蛇の名でも知られるとおりの巨大な蛇で、世界を囲むことができるほどの大きさとされます。

まだ小さい頃に海に投げられてそこで成長し、その巨体が故に世界の海底を一周し、自分の尻尾を咥えてなんとか収まっています。

雷神トールの宿敵でもあり、数回に渡って対決する姿も描かれます。

最終戦争では結果的に、相討ちという形で決着しました。

ちなみに、ジガルデの設定とは裏腹に、これらロキの子供はどちらかと言うと世界を壊す方です。

10%フォルム

Zygarde (10% Forme)
“Born when around 10% of Zygarde’s cells have been gathered from all over, this form is skilled in close-range combat.”

Pokemon Ultra Moon

“一帯からジガルデの細胞の10%程度が集められると生まれ、この姿は接近戦に長けている。”

一方、10%フォルムの元ネタはフェンリルでしょう。

同じくロキの子供の狼で、非常に凶暴ですが神的存在なので言葉は話します。

強大な狼として、ファンタジーの命名としてもメジャーではないでしょうか。

尋常な方法では捕縛できないほど強靭でしたが、軍神テュールが片腕を犠牲に無力化します。

しかし、「全ての枷が放たれる」最終戦争では自由の身になります。

あの有名なオーディンを倒しますが、最後には彼の息子によって仇を取られることになりました。

パーフェクトフォルム

Zygarde (Complete Forme)
“This is Zygarde’s 100% form. It has enough power to overwhelm even Xerneas or Yveltal.”

Pokemon Moon

“これがジガルデの100%の姿だ。ゼルネアスやイベルタルですら圧倒するに足る力を持つ。”

世代が終わってからこんな説明をもらうとは気の毒に。

ゼルネアスもイベルタルも、この説明の見られるムーン版には登場しません。

英語版では、perfect “完全無欠な” ではなく complete “欠けるところのない” になっているのが細かな違いです。

さて、この100%の姿は、3兄妹の末っ子、ヘルに則っていると思われます。

ヘルは名前の通り、冥界の女王を務めます。

北欧の言語は英語とも系統が近いので、地獄のヘルで間違いないです。

病気など、(戦い以外の)不名誉な終わりを迎えたもののたどり着く世界です。

半分が青く、半分が肉の色(赤)の姿であるとされ、デザインも合致します。

どうやら、最終戦争でも描写が少なく、消息不明のようです。

なお、北欧神話は神、巨人、人の世界で、巨人も重要な役割を果たします。

ロキ自体が巨人との混血なのでその娘のヘルもまた巨人の血族であり、人型すなわち巨躯、ということもデザインと噛み合うかと思われます。


さて、今週は久々の大作になりました。

北欧神話をベースにしたファンタジーは多く、なかなか知識として有用です。

メジャーどころでもSAO2期のアルヴヘイム編、ファイアーエムブレムの随所、部分的にFFなど。

多くの作品は神話の二次創作、とは言い過ぎでしょうか。

それでは、次の年号でもまた、よろしくお願いします。

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参考文献

Bulbapedia
Wikipedia Jörmungandr Fenrir Hel (being)

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