Farfetch’dの名前の由来・設定考察
追加進化を喜ぶのはまだ早い
ママンボウとラブカスの悲劇を繰り返してはならない
Farfetch’d
Pokemon Red Version
“The sprig of green onions it holds is its weapon. It is used much like a metal sword.”
翻訳・解説は “続きを読む” から。
概要
初代から登場する、カモネギです。
NPC交換でのみ入手できたポケモンで、「おしょう」の名前の印象も強いかもしれません。
能力値は高くなく、元より一線級のポケモンが強化される度に半ばネタで救済を求められてきました。
持つだけで急所ランク+2で一部技のクリティカルが確定する、持ち主が持ち主なら壊れ性能の専用アイテムもあります。
第七世代で攻撃+25という破格の上方修正を受けながらも鳴かず飛ばず、ついに救済は訪れるのでしょうか。
名前の由来
Farfetch’d (Wild Duck Pokemon)
Far-fetched “あり得ない” が由来と思われます。
far “遠い” と fetch “取ってくる” なので、「とんでもないところから来た(考えの)」ということになります。
完全に日本語の句から取った名前なので、鴨も葱も要素としては落ちてしまっています。
一部図鑑説明では希少になっていることが示されるのですが、その解釈がもしかすると日本語と英語では変わるのかもしれません。
日本語ではちょうどいいカモだから狩られた、と思える一方で、英語では「そんなことはそうそうない」ということになりそうです。
もしかすると、彼我で解釈が割れたままここまで約20年来てしまっている可能性もあります。
一応、アニメでは食用に狩られたという理由づけがされたことがあるそうです。
人間が(肉を)食べるという設定が公式であるのは他にヤドンやコイキングなど、初期の世界観のブレを感じます。
図鑑説明と設定
“The sprig of green onions it holds is its weapon. It is used much like a metal sword.”
“持っている葱の茎がカモネギの武器だ。まさに金属製の剣のように使われる。”
日本語からすると「ネギ」に対して「タマネギ」が特別ですが、英語だと逆です。
他には、leek、spring onion、Welsh onion などと呼ばれるようです。
これだけ呼び名が割れること自体が、英語圏での葱のマイナーさを表しているような気もします。
ポケモン世界と植物
実は、日本語の図鑑説明でカモネギが持っているものが葱だと明言されたことはありません。
インドぞうの時代からずっと。「植物の茎」であるとしか言われていません。
前述の名前の違いから葱であることを示す必要性の薄い英語版でなぜ種類が特定されているのかはやや謎です。
これも、リメイクなどでは plant stalk “植物の茎” に修正されています。
なぜかポケモン図鑑は動物の名前よりも植物の名前を出すことに神経質で、巧妙にぼかされていることが多いです。
トロピウスの実も一度として「バナナ」と表現されたことはないあたりに徹底ぶりが見られます。
反面、プランクトンはサンムーンに至るまで普通に食べられています。
現在では「きのみ」カテゴリーとして独自の植生も世界観に確立していることがその原因の一つかとは思います。
専用アイテム・ながねぎの登場も独自ネームのきのみ登場以前なので、相関性はあるのではないでしょうか。
なお、英語版では逆にながねぎが Stick “棒/杖” というネーミングになっています。
「元々持ってるのでは?」を避けるためでしょうか。
さて、今週は多方面でちょっとした話題のカモネギの回でした。
特殊演出で隠すあたり普通のポケモンとは思えず、追加進化の線は濃厚と思います。
しかし、タイプが全く違うのは少し気がかりです。
それでは、来週もまたよろしくお願いします。