Pokemon of the Week 12: Bronzor

Bronzorの名前の由来・図鑑考察

毎週一匹のポケモンの英語名と図鑑説明を解説するPokemon of the Week、
12回目の今週はこのポケモンです。

Bronzor 
Implements shaped like it were discovered in ancient tombs. It is unknown if they are related.

翻訳・解説は”続きを読む”から!




概要

日本語名はドーミラーですね。
第四世代、ダイヤモンド・パールで初登場したポケモンです。
序盤から登場し、得体の知れない姿形と状態異常技で進化後共々ストーリー全編に渡って地味にストレスを稼いできます。

今や弱体化してしまった鋼の耐性ですが、ポケダン時・闇ではまさかの特性両持ちによる弱点なしを実現していました。
本編以上に凶悪な状態異常技も合わせて、ラストダンジョンの難敵の一匹でした。

今週は鏡開き。
ということで、銅鏡モチーフのこのポケモンです。


名前の由来

Bronze “青銅”とmirror “鏡”です。
そのままですね。
ある意味、日本語名に忠実?

CopperとBronzeの違いは?

「銅」というとcopperという単語を思い浮かべる方も多いかと思います。
これらbronzeとcopperですが、同じ「銅」の訳語となることこそあれ、実は全くの別物です。

Copperは、純粋な物質としての銅を表す言葉です。
理科の実験なんかで見る赤色、あるいは銅色(あかがねいろ)の物質がcopperということですね。
ちなみに、元素記号Cuは英語ではなくラテン語 cuprumから来ているために英語のスペルと少し違っています。

対してBronzeは、”青銅”を表す単語です。
青銅は、銅と錫の合金で、このポケモンの設定にも見られるように古代から使われた金属です。
なんと、紀元前3,000年ごろから使われていたとのこと。

Q. それでは、「銅メダル」はどっち?

オリンピックなどで3位の選手に授与される「銅メダル」。
これは、bronze medalというのが正解です。

前述の通り、物質として別物なのでCopper medalとは言いません。
日本語では逆に「青銅メダル」と言わないので紛らわしいですね。
おそらく日本人にとってcopperとbronzeが同じに思える最大の原因だと思います。

「青銅」に表記を改めるべきでしょうか?
“五輪で青銅メダルを獲得”
…「銅」のままの方がいいかもしれません。


英語版の図鑑説明の翻訳

“ドーミラーに似たように形作られた器具が古代の墓から発見された。これらに関連があるのかは未知である。”

Implementは名詞として “道具/手段”の他に、動詞として “(法律などに)効力を与える/実行する”というやや関連付けにくい異なる意味をもつ単語です。

implereというラテン語から来ているらしく、
名詞では、(目的を達成するための条件を)満たす「手段」、
動詞では、(外側だけ出来上がっているものに実際の)「効力を満たす」と転じているとのことです。
(参考:Online Etymology Dictionary)

Ancient “古代の”は、ゲームでも結構見る単語かもしれません。
ポケモンだと技・げんしのちから がAncient Powerという英語名である他、第三世代の伝説ポケモンはSuper-Ancient Pokemon “超古代ポケモン”として言及されています。

実生活において古代の話をすることはあまりないと思います。
しかし、受験勉強に関して言えば、長文問題でancient Greece / Rome “古代ギリシア/ローマ”に関する記述を一度は見ることがあると思います。


鏡と神と餅

さて、図鑑説明の通り、このポケモンは古代の銅鏡をモデルにして作られています。
ドーミラーがエスパータイプであることにも通じますが、鏡は霊的な力があると考えられることが多いです。。

日本では、おそらく日本一有名な、卑弥呼に献上されたとされる銅鏡や、前回も登場した三種の神器、その一つ八咫鏡。
海外でも、Snow White (白雪姫)に登場する、おそらく世界一有名な魔法の鏡や、Alice Through the Looking Glass (鏡の国のアリス)など。
鏡が魔力を持つとする伝承や物語は古今東西絶えません。

今週は鏡開き。
鏡餅は年末年始に訪れる豊穣の神、年神に対する供え物として置くとされているところが多いようです。
鏡餅の歴史については諸説ある、あるいは地域によって伝承が違うようですが、神や仏に対する供え物であることはどこでも共通しているように見えます。

「鏡」という名前が、もともとそれを意図して丸くされているのか、丸い餅が後から鏡と関連づけられたのかはやや意見が割れているようです。
しかし、神器八咫鏡のこともあり、古来日本人にとって鏡が何かしらありがたいものであったことは間違いないと思います。

「開く」という表現も面白い背景があります。
武家社会で、鏡餅を「切る」ことは切腹を連想するために忌避され、槌で「割る」ことが習わしとなって今に続いているそうです。

しかし、「割る」の言葉自体にも良くない連想があるため、「開く」と言われるようになったということです。
日本人の言霊信仰、大変興味深いです。


さて、今回は鏡開きの週ということで、鏡モチーフのポケモンを扱いました。
みなさま、今年一年の幸運を願って、ドーミラーを叩き割ってみてはいかがでしょうか。

ランドロス[霊獣]Lv.50 (A特化) 防:ドーミラー Lv.50 (B特化)
技: アームハンマー
ダメージ: 54〜64 割合: 32.9%〜39%
回数: 乱数3発 (99.83%)

容易ではないようですが。

それでは、来週もよろしくお願いします。

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