Delibirdの名前の由来・図鑑解説考察
毎週一匹のポケモンの英語名と図鑑説明を解説するPokemon of the Week、
第9回の今週はやっぱりこのポケモンです。
Delibird
“It carries food bundled up in its tail. There was a famous explorer who managed to scale Mt. Everest thanks to a DELIBIRD sharing its food.”
翻訳・解説は”続きを読む”から!
概要
日本語名もデリバードです。
先週、英語名と日本語名が同じの一般ポケモンは珍しいと言いながら連続です。
第二世代、金銀で初登場したポケモンですね。
この時期にもっとも輝く一匹かもしれません。
Pokemon GOにも今週から出現し始めましたが、低捕獲率&高出現率&進化の見込みなしで実はかつてのヤミカラス枠なのかも?
あちらは将来の進化が見込めるので念のためアメを集めておきましたが…
名前の由来
同じ金銀出身で和英共通名を持つ先週のポケモンと比較すると、なんともわかりやすい名前です。
Deliver “配達する”とBird “鳥”のネーミングですね。
Birdは言うまでもなく、delivery “配達”も日本語と化しているので解説不要という方もいるのではないかと思います。
これだけだとあまりにも内容がないのでdeliverについての解説を少し。
この単語は、語源的に「遠くへ向かって手放す」といったニュアンスがあり、liberate “解放する”などと同類になります。
Statue of Liberty、”自由の女神(直訳で「自由の像」)”は有名ですね。
せっかくのクリスマスなのでキリスト教の「主の祈り」から引用しますと、
“And lead us not into the temptation, but deliver us from evil”
「我らを試みにあわせず、悪より救いいだしたまえ」
この文脈において、deliverは語源的な意味の”解放する”で使われています。
“配達する”の用法の他に、deliver a speech “スピーチをする”といった使い方もありますが、これも自分の話が遠くの相手に向かって移動していく感じです。
英語版の図鑑説明の翻訳
“デリバードは尻尾に詰め込んだ食べ物を運ぶ。食べ物を分けてくれるデリバードのおかげで、エベレストを登りきった有名な探検家がいる。”
まさかのエベレスト。
インドぞうや東京タワー、太平洋なんかも登場するポケモン図鑑ですが、エベレストも登場するのですね。
まあ頂上付近は寒冷地で、氷ポケモンが住んでいそうではあります。
重要イディオムはthanks to “-のおかげで”やmanage to “なんとか-する”になります。
また、bundledやsharingといった分詞を利用した後置修飾も基礎ですが重要です。
ポケモンマニアの中では結構有名ですがくっついている袋は尻尾らしいです。
本家ポケモンでも後ろ姿=味方側で出ている姿を見る場面があまりないので気づきにくいですが、3Dモデルをよく見るとしっかり体から生えています。
そんな尻尾の説明に使われているbundleは動詞で”詰め込む”、また、名詞で”束”という意味です。
実生活ですと、iPhoneアプリのセット販売であるapp bundleに見られます。
ユニーク技:プレゼント
このポケモンで有名なのは技:プレゼントですね。
英語版の名前もそのままPresentです。
“The foe is given a booby-trapped gift. It restores HP sometimes, however.”
booby-trapped、爆弾入りのプレゼントだそうです。
威力の振れ幅があり、かつ(体感結構な確率で)相手を回復する唯一無二の性能をもつ技です。
私はこれが完全に専用技だと思い込んでいたのですが、タマゴ技でピカチュウなどのポケモンも覚えるとこれを書いていて発見しました。
面白いところだとミルタンクなんかも覚えるのですね。
もう一つ衝撃的だったのが、デリバード自身がレベルアップでプレゼント以外の技を習得するようになっていたことです。
今の今まで「レベルアップ技はないがなぜかマシンなどでは習得する」キャラだと思っていたので路線変更の兆しに戸惑いを隠せません。
果たして何人の方がこの地味ながら重要な変更に気づいているのでしょうか?
さて、クリスマスイブということでサンタの装いをしたポケモン、デリバードを紹介してきました。
予定は人それぞれかと思いますが、良いイブとクリスマスをお過ごしくださいませ。
それでは、また来週もよろしくお願いします。