今更ながら、『名探偵ピカチュウ』を見てきましたので感想。
文化的かもしれないポケモンの扱いの対比が印象的でした。
※軽微なネタバレを含みます
個人的に良かった点
ポケモンのいる世界
これがやはり一番です。
作品の描きたいものの一つだったと思うのですが、
街中に生きているポケモンを見て新鮮な気分でした。
ヒトカゲの火で調理していたり、
ルンパッパが店員をしていたのが印象的です。
ポケモンGOからの流れというか、
最近のポケモンは現実世界にも進出し始めています。
↑のCMも個人的に好きなんですよね。
VRとか色々出てきていますが、これからの時代、
本当にポケモンと触れ合える世界が生まれるのかもしれません。
新作のオープンワールド(風?)も含めて、
活きているポケモンの今後にもさらに期待したいです。
熱い日本とポケモンリスペクト
まず日本が先行公開というのも目新しいですが。
キャラデザも世界観も本編から逸脱しておらず、
原作への愛が強い人が作ったのだな、と。
画像だけで見るとえぇ……となるベロリンガあたりも
映画で動いているとまた違った印象です。
デザインで食わず嫌いの人はぜひ。
随所に日本リスペクトのある映画ですし、
ケンワタナベの日本人英語も素敵でした。
あとあくまでもいい意味で、
スタッフロール前の日本語マンガパートは苦笑しました
何と言うか、「極度乾燥しなさい」と同系統の。
メタモン
メタモン。
中盤の時点で結末は概ね予想できるストーリーでしたが、
唯一やられたと思いました。
便利なのでうちにも欲しい。
賛否両論かと思う点
ポケモンの重要性
映画単体だと、人にとってポケモンがどういうものか、
描写が足りていない印象を受けます。
確かに生活にポケモンが溶け込んではいるのですが、
それがかえってドライな関係というか、
従来のトレーナーとポケモンというタイプの信頼が
どうしても少なく見えてしまいます。
主人公とピカチュウも関係も、父親ありきの
対人間の関係のように思えてしまいました。
そのために、最終盤での黒幕の行動も
人類のためそれもありかな、という感想になってしまい……
普段からポケモン関係の作品を見ている者からすれば
ポケモンとの関係は前提として理解しています。
ですが、ハリウッド作品として間口が広いからこそ
初見の人に伝わるのかは多少心配でした。
とはいえ、これは非常に重要な考察の種になったので
「悪い」と断ずるポイントでは決してないです。
ミュウツー
一般人にも捕まるレベルなんか……
対ポケモンの戦闘では普通に強かったです。
でもハンデもなしに負けてるミュウツーって見たくないんです。
最強・無敵であってほしいんです。
ええ、懐古厨ですが何か?
総評:生物かカミか
おもしろかったです(小並)
私は文系素人なのであれですが、映像技術もなんかすごそうでした。
ポケモンのいる世界を見せられた上で、
作品の根底には人間中心主義があるように思います。
毎年夏の映画の、自然の脅威/伝説のポケモンに
人にはないポケモンの力で立ち向かう筋が多いように感じます。
文化的な側面もあるかもしれませんが、
日本のポケモンとはカミであって尋常な生物ではないのでは。
普段のポケモンの世界観で、如何なる現代兵器を以っても
ポケモンを支配することはできそうにないですね。
それに対して、『名探偵ピカチュウ』のポケモンは
既存の枠組みの中で人間のコントロールできる生物でした。
この対比は非常に有意義な知見になったと思っています。
総括して、新たな切り口で描かれたポケモン作品でした。
ポケモンのいる拡張された世界を作る、と
現実の世界に彼らを落とし込む、
これらは似ているようで実際は違うのですね。
この先、ポケモンが目指す方向性が垣間見られた気がします。
以上、ポケモン勢としての感想でした。
単体の作品としても面白いと思うのでまだの方はぜひ。
長文を読んでいただきありがとうございます。