Kilowattrelの名前の由来・設定考察
ただ風を起こすだけのアイテムの汎用性が極めて高いのが恐ろしくさえある
Kilowattrel
Pokemon Violet
“It uses its throat sac to store electricity generated by its wings. There’s hardly any oil in its feathers, so it is a poor swimmer.”
詳しい内容は “続きを読む” から。
概要
第九世代で登場した、タイカイデンです。
進化前の初登場が中盤なもののそれ以降は至るところにおり、一応は一般鳥ポケモンの系譜と見ていいような立場です。
この手の種族にしては、進化前の時点でタイプに電気という属性を持っているのも特異な点ではあります。
性能面では、優秀な電/飛の複合に、限られた数値を必要な部分に割り振った能力で、125の速さは光るものがあります。
専用特性として、風の攻撃を受けると充電状態になるふうりょくでんきがあり、これには自軍へのおいかぜも含まれます。
名前の由来
Kilowattrel (Frigatebird Pokemon)
Kilowatt “キロワット” + Petrel “海燕” と思われます。
進化前は Wattrel なので、1,000倍になっています。この安易な昇格、私は好きです。
モチーフは、分類名に明示されている通りfrigatebird “(オオ)グンカンドリ” でしょう。
frigate は軍艦の一種で、元は機動力に優れる帆船がそう呼ばれたそうです。
『BW2』に、「プラズマフリゲート」という(飛んでいますが)戦艦が登場していますね。
現在では、明確に定義されてはいないものの、護衛任務を行う種類の戦艦がこう呼ばれることが多いようです。
Frigatebird は、「素早い帆船」の方のイメージが強く、鋼鉄がイメージされる「軍艦」とはやや趣が違います。
大型の体格の割に非常に軽量で翼も大きく、風に乗って持続的に飛行するのに極めて優れます。
ゲーム内でもそこそこ圧のあるタイカイデン(1.4m)ですが、実際のグンカンドリも1.1mは超えるものがおり、翼を広げると2m以上にもなります。
数キロを羽ばたくことなく飛行することができ、数日間着陸しないこともあるそうです。
やはり、「軍艦」というより「帆船」で、誤訳に近いような気がします。
もう一つの特徴として大きなノド袋があり、オスはこれが赤く、求愛にも用いるようです。
なお、海燕とは別種ですが、俗称としては frigate petrel と呼ばれることもあるらしいため、一応言い訳できる程度の進化です。
図鑑説明と設定
“It uses its throat sac to store electricity generated by its wings. There’s hardly any oil in its feathers, so it is a poor swimmer.”
“ノド袋を、翼で生み出された電気を蓄えるのに使う。羽にほとんど油分がないため、泳ぐのは苦手である。”
-er 系の遂行者名詞での表現は綺麗に訳すのが難しいですね。
電気がどうこうは別とすると、かなり真っ当にグンカンドリの性質を持っているポケモンです。
後半の説明は、そのまま実際のグンカンドリの説明としても使えると言っていいです。
極めて持続的飛行に優れる一方で、油分の少ない翼は水に沈みます。
脚が短いのもあってもがくのも苦手らしく、海鳥でありながら溺れて命を落とすことで知られています。
また、その短足のために陸上での活動も苦手のようです。
前世代のアーマーガアも土地柄を反映した秀逸な設定でしたし、デザイナーにすごく鳥が好きな人がいるのかもしれません。
ただ、忠実にグンカンドリすぎるのか分かりませんが、作り出した電気を生態行動として何に使うのかは全く示されていません。
さて、今週のポケモンはタイカイデンでした。
今回は『V』の図鑑でしたが、『S』の方も半分がただのグンカンドリの説明になっています。
電気は狩りに使うのか、自衛なのか、使い道は全く謎のままです。
それでは、来週もまたよろしくお願いします。
参考文献
Bulbapedia
Wikipedia Frigatebird Frigate