Klinklangの名前の由来・設定考察
諸行無常。
運命の車輪。
Klinklang
Pokemon White
“The gear with the red core is rotated at high speed for a rapid energy charge.”
翻訳・解説は “続きを読む” から!
概要
第五世代、ブラックホワイトで登場した、ギギギアルです。
進化系の特徴的な名前はしばしばネタにされます。
微妙な系統専用技1つと高性能な準専用技2つを持ちますが、それ以外の技はかなり少ないです。
BWのストーリーでは、最終決戦のNのポケモンとしても登場します。
中盤で進化前も使っているため、Nに珍しく逃さず育てたのかと思いきや、2では野生に戻ったギアルを目にするため、別個体の模様。
名前の由来
Klinklang (Gear Pokemon)
Clink “金属が触れ合う音” + Clang “金属の鳴る音” と思われます。
Link “連結(する)” の可能性も指摘されています。
Klink、Klang はそれぞれ進化前の英語名でもあります。
他の外国語版でも多くはこのように擬音になっており、日本語の「ギア」の方が実は少数派のようです。
ちなみに、
フランス語:Cliticlic
ドイツ語:Klikdiklak
となっています。(西伊・韓は英・日と同じ)
図鑑説明と設定
“The gear with the red core is rotated at high speed for a rapid energy charge.”
“赤いコアの付いた歯車は、エネルギーの高速充填のために素早く回転している。”
rotate “回す” は受動形で用いられています。
英語では受動態に必ず対応する能動態があるため、日本語にする時に受動で訳したくなります。
ですが、ラテン語などでは受動態の活用しか使わないような単語もあり、「受動態=自動詞」と考えてもいいのかもしれません。
「運命の歯車?」
創作物などで、「運命の歯車」という表現を目にすることがあります。
カードゲームの『ヴァンガード』やFE烈火、FF14などが検索にかかりました。
これは、元となる神話まで遡ると正確な表現ではないのではないでしょうか。
「運命が回る」という表現は、ローマ神話の神、Fortuna が元となっていると思われます。
フォルトゥナは車輪を携えた盲目の女神として描かれることが多く、車輪には人々が括り付けられています。
盲目のフォルトゥナは車輪を出鱈目に回し、上にいた者もすぐに下に、下のものも上になるという、制御不能な運命を司ります。
タロットのカードにも、「運命の輪」がありますね。
このように、本来回されるものは車輪であって、歯車ではありません。
歯車のイメージは、時間や時計のイメージ、あるいは、「機械仕掛けの神」との混同なのかもしれません。
ちなみに、車輪が使われている創作物で言うと、「人魚の魔女」などがあります。
今週は、書きたいことベースの記事にさせていただきました。
神話や聖書を踏まえていると、様々な創作物が数倍面白く見えます。
考察勢には必須のスキルだと思っています。
それでは、来週もまたよろしくお願いします。