Spiritombの名前の由来・図鑑考察
毎週一匹のポケモンの英語名と図鑑説明を解説するPokemon of the Week、
2017年最後の第10回はこのポケモンです。
Spiritomb
“It was formed by uniting 108 spirits. It has been bound to the Odd Keystone to keep it from doing any mischief.”
翻訳・解説は”続きを読む”から!
概要
日本語名はミカルゲ。
第四世代、ダイヤモンド・パールで初登場しました。
多くの人にとって初見の状態でチャンピオン・シロナの初手で登場し、その鳴き声と姿、弱点なしの強烈なインパクトを残しました。
DPtでは複数の相手との地下通路での通信が入手に必須ということで、私は結局一度も野生にお目にかかっていないような気がします…
リメイクされたらWi-Fiのおかげで楽になるのでしょうか?
名前の由来
英語版の名前は、spirit “魂”とtomb “墓石”だと考えられます。
比較的ストレートなネーミングと言えるかもしれません。
Tombは技・がんせきふうじの英語名、Rock Tombでも登場します。
岩で生き埋めにするという技なのですね。
その意味では、第三世代の技エフェクトで岩が落ちたあと×印が出る演出が合っている感じがします。
ちなみに、スペルの最後の-mbのbは発音しません。
この-mbのサイレントレターには、climbのようにかつては発音されていたものと、thumbのように後に追加されたものの2通りがあります。
Tombはどうやら前者のようです。
日本語版の「ミカルゲ」は「御影石」が由来ですね。
他にも語源がないか探したのですが私の日本語力では見つかりませんでした。
墓石によく使われる石材ということでゴースト要素も兼ねているのでしょう。
気になって調べたのですが、海外の墓石にも御影石は使われているようです。
英語版の図鑑説明の翻訳
“ミカルゲは108個の魂をつなぎ合わせて作り出されている。一切の悪さをすることを防ぐためにかなめいしに繋がれている。”
大文字で表記されているOdd Keystoneはアイテムの”かなめいし”です。
メガシンカのためのキーストーンがKey Stoneなのでやや紛らわしいですね。
Keep – from doing “-にさせないようにする”が高校受験レベルの重要表現です。
同様の表現でprevent – from doing “-がするのを防ぐ”もあるので、同時に覚えておくと便利です。
108の魂
除夜の鐘と人間の煩悩
108の魂という設定ですが、仏教で人間の煩悩の数、と言われています。
大晦日に除夜の鐘を108回鳴らすのはこれを一つずつ消すため、とされていますね。
数珠の珠の数も本来は108、あるいはその約数でできているそうです。
数については人間の五感+意識=6つを細分化していくと108になるという解釈と、単純に大きい数の例えが108であるという説が混在しています。
大きい数の例え、八百万の神、の「八百万」のようなものでしょう。
除夜の鐘も、必ずしも108回だけ鳴らす訳ではないところもあるようですが、後者の解釈ならそれでいいのかも?
水滸伝の「魔王」たち
また、元ネタとして「水滸伝」を指摘しているところもあります。
祠に封印されていた108の魔王が人間に生まれ変わり、活躍するという中国の物語です。
しかし、こちらは訳語に問題があるのかもしれません。
地上に人間として生まれ落ちた者たちが国のために戦うストーリーと照らし合わせると、英語でevil spirits、日本語で魔王という表現になっているところには違和感が生じます。
中国語版wikipediaで翻訳前の表現を(日本語の漢字の知識のみで)探しましたが、解き放たれた魂は邪悪なものとしては描かれていないように見えました。
むしろ、好漢、ヒーローとして描かれています。
唯一見つかったのが“禁錮的三十六個天罡星和七十二個地煞星”という表現でした。
36の天罡星、とは108の魂の中でも特に位の高い者たちで、72の地煞星というのが残りになるようです。
この「地煞星」の「煞」に邪悪、という意味が含まれているようです。
とはいえ、私は水滸伝を通読した訳ではありませんし、中国語の知識も皆無ですので不正確なところが多々あるかもしれません。
今回は、ミカルゲの設定を日英中の3言語に跨って紹介してきました。
ミカルゲは個人的にも思い入れの深いポケモンです。
ポケダンの時の探検隊で、ゼロの島南部99Fを踏破した思い出があります。
赤青のときのフーディンを彷彿とさせるLv1高ステータスは頼りになりました。
今ではもうできる気がしないですが、小学生の集中力はすごい。
「英語でポケモン」も、おかげさまで無事年末を迎えることができました。
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それでは、来年もどうぞよろしくお願いします。