Chimechoの名前の由来・設定考察
なんとなく気温が下がって来ているのは気のせいですか?
命に関わる程度に暑い日は少なくなっただけでしょうか。
Chimecho
“They fly about very actively when the hot season arrives. They communicate among themselves using seven different and distinguishing cries.”
翻訳・解説は “続きを読む” から!
概要
第三世代で登場したポケモン、チリーンです。
当初はごく限られたエリアに稀に登場するのみで遭遇しにくく、出現する草むらは入る必要がない配置というレアポケモンでした。
挙句、トレーナーの手持ちでも見かけずノーヒントでの発見は困難を極めます。
アニメではコジロウの手持ちとなり、一時的に存在感は高まったように思います。
しかし、それ以降は出現場所が少ないことと、能力も高いとは言えないために見かける機会は少なくなってしまった印象です。
第四世代では進化前が追加されたり、第七世代では能力に上方修正が入ったりと、救済の兆しはあります。
名前の由来
Chime “チャイム” + Echo “反響” と思われます。
一見して発音が意味不明に見える名前ですが、この由来を踏まえて公式の発音は “chime-EK-oh” とのことです(出典)。
考察するまで「チメチョー」みたいなエキゾチックな名前だと思ってました。すいません。
風鈴を英語で?
chime は風鈴の要素でしょう。
風鈴のことを、wind chime や wind bell と言います。
日本語でチャイムと言うと「伊藤家の食卓」で鳴らしていたような楽器、ウインドチャイムと言ってもまた別の楽器を示すことになります。
(吹奏楽部経験者に聞くと多分どちらもわかります)
しかし英語では、wind chime も bell も似たようなもののようです。
観光客用のサイトなどを見ても、bell と chime が混在しているので、どちらでも通じることは通じるはずです。
一応、
チャイム:風で軽い筒同士が触れ合って音が鳴る
ベル:風で内部の鉄が動いてベルに触れ、反響する
といった違いはあるのでしょうが、気にされていないように見えます。
風鈴は音の鳴らし方で言うと bell の方になるので、正確に伝えたい場合はこちらになりそうです。
海外の wind bell は金属が主流なようなので、風鈴を英語で伝えるのであれば
A Japanese wind bell made of glass などが伝わりやすいかと思います。
図鑑説明と設定
“暑い季節がやってくると、とても活発に飛び回る。チリーン同士で7つのそれぞれ異なる鳴き声を使って意思疎通する。”
different and distinguishing の訳出が非常に難しいです。
different は単純に異なる、ことですが、distinguishing は動詞 distinguish “区別する” が元となるため区別に有効な明確な違い、ということになります。
distinguishing を単体で用いると、通常「(他と見分けがつくほど)顕著な」ということになります。
ここでは7つの音がそれぞれ明確に違っている、という意味を出すために different と重ねられているはずです。
余談ですが、ポケモン図鑑で該当ポケモンを表すのに they が使われるのは実は稀です。
通常は単数で it か名指しなので、この説明文は珍しいタイプです。
7つの音の意味とは
コミュニケーションに使っているという7つの音ですが、それぞれどういった意味を持つのでしょうか。
それぞれに感情が結びついているという仮説で調査したところ、『三字経』に定義される感情が7つ、というもののみヒットしました。
喜、怒、哀、懼、愛、悪、欲の7つらしいです。
懼は恐れ、悪は憎しみとのことです(出典)。
しかし、これは日本では最も頻繁に使われるであろう「喜怒哀楽」を含む『中庸』の感情とは異なっているため、やや弱いように思われます。
もちろん、コミュニケーションにおいて音と意味が単体で対応していなければならない理屈はないのですが、7という数字に意義を見出したいところです。
色々と考察しましたが、私の結論としては全音階の7音という単純ながら見落とされていた説が有力です。
オクターブも使わないことになるのは、風鈴自体が音階のある楽器ではないので、そんなものではないでしょうか。
今週のポケモンは、夏の風鈴でお盆の送り火山、チリーンでした。
初見は生息地と無表情のせいで不気味な印象でしたが、アニメでは表情豊かでしたね。
最近は、頭に比べて尾が長くなってスタイルが良くなってきているのも注目です。
では、来週もまたよろしくお願いします。