Pokemon of the Week 14: Suicune

Suicuneの名前の由来・図鑑考察

毎週一匹のポケモンの英語名と図鑑説明を解説するPokemon of the Week、
第14回は最新VCのパッケージを飾るこのポケモン。

Suicune
“SUICUNE embodies the compassion of a pure spring of water. It runs across the land with gracefulness. This POKéMON has the power to purify dirty water.”

翻訳・解説は”続きを読む”から!




概要

第二世代金銀の、所謂三犬と呼ばれる準伝説の一匹。
準伝説ながらマイナーチェンジのパッケージを飾る異例のポケモンです。

金銀リメイクのHGSSでもクリスタル版の要素を踏襲した特別なイベントが用意されており、優遇されている様子があります。
四足歩行でありながら格闘ゲームのポッ拳のプレイアブルキャラに抜擢されたのもその一端かもしれません。

対戦面では高い耐久力と弱点の少なさが魅力の強力なポケモンで、第六世代でも使用率トップの常連でした。
2割即死の絶対零度から3割詐欺の熱湯まで、確率の恐怖を教えてくれます。


名前の由来

水+君主であると思われます。
全く英語の解説になりませんが共通名なので仕方ないです。

ちなみに、各世代の準伝説トリオの中で、英語名と日本語名が目に見えて違うのは第一世代の三鳥と、UMAのうち二匹です。
(上下関係があるのでトリオとしてはグレーですが、ボルトロスも違います)

三犬の名前は属性+支配者の肩書となっていますね。
皇(すめらぎ)、帝(みかど)、君(きみ)と、全て天皇を指すことのできる語であるとも考えることができます。

上記の考察とは外れてしまいますが、彼らを復活させたホウオウを「王」と捉えることでまとめることもできます。
しかし、焼けた塔のあるエンジュシティが京都に当たる場所であることも考慮すると、前述の法則性でホウオウを除外するのが妥当だと私は思います。

余談ですが、このように肩書が並ぶと『もょもと』の復活の呪文を思い出してしまうのは私だけでしょうか…


英語版の図鑑説明の翻訳

“スイクンは清らかな湧き水の慈悲を体現する。気品を備えて大陸を駆け回る。このポケモンは、汚れた水を浄化する力を持つ。”

音読してみてもとてもリズミカルな文章です。
そのリズムはおそらくrun gracefullyではなくwith gracefulnessなのがポイントと思います。

今回注目したいのはembody “体現する”とその接辞en (em)。
名詞や形容詞の前について、「-の状態にする」という動詞を作ります。

endanger (危険な状態にする→危険に晒す) endangered species “絶滅危惧種”
enrich (豊かな状態にする→高める) enrich a country “国を豊かにする”
ensure (確かなものにする→保証する) ensure success “成功を保証する” など。

embodyは「体を与える」、つまり、実体のない概念を身をもって示す、ということです。
Mother Teresa is an embodiment of love. “マザー・テレサは愛を体現する存在だ。”


“クリスタル”とは

クリスタルバージョンのパッケージを飾るスイクンですが、実は図鑑説明文に「クリスタル」や「水晶」の記述は一回もありません。

「水晶」の「水」の文字からの連想であるとは考えられます。
そこで、「水晶」と「水」の間にどのような関係があるのか、調べてみました。

まず、クリスタル / Crystal には大きく2つの意味があります。

  • 結晶。一定の原子・分子配列が繰り返されて作られた固体。
  • 水晶。石英の結晶鉱物。

まず、1つ目は化学的な定義ですね。
日本語でクリスタルというと通常こちらは連想しませんが、英語ではこれを表す化学用語として使われるようです。

残念ながら私にはこれについて詳しく述べられるだけの化学の知識はありません。
しかし、雪の結晶が定義に当てはまるとはいえ、「水」を要素に含むものではなさそうです。

次に、2つ目、水晶です。
こちらは逆に、英語では無色透明なものを特にquartz (石英と同様)と呼ぶことが多いようです。
Rock crystal とも言うらしいです。

地球にある鉱物の中でも割合の多い石英の結晶で、通常無色透明なものを指すものの、他の物質が混ざることで様々な色を示すということです。
アメジスト、シトリンなどは色付きの水晶です。

こちらも一見「水」要素は見当たりませんが、英語版wikipediaに面白い記述が。

「博物誌」を著したプリニウスは、水晶は長い時間をかけて溶けることのなくなった氷だと考えていた、ということです。
そういった背景があり、Crystalの名前自体もギリシア語κρύσταλλος “氷”から来ているらしいです。

クリスタルと言えば、ファイナルファンタジーシリーズには4つの属性のクリスタルが登場しますね。(最近のシリーズはどうなのでしょう?私はIVの印象が最も強く、VIIあたりからはあまりわかりません)
火・水・風(空気)・土で、これらが万物の素となっているという四元素説が古くは支持されていました。

その思想の中で、水晶は水に由来するものだと考えられていた、と言えるでしょう。

Crystalが日本語に訳されるときにはそういった背景も考慮されていたのだろうと考えると、当時の人々の言語力は素晴らしいですね。

ということで、水晶 / クリスタルは古くから、同じく透き通った水と関連づけられていたようです。
それを考慮すれば、このバージョン名も納得、となるのではないでしょうか。


今回のクリスタルバージョンVC発売で、全ソフトで捕まえたポケモンを最新の世代に揃えることができるようになりました。
一度の完全な互換切りを経てついに実現した全世代の統合と考えると、ポケモンシリーズの偉大さを感じます。

願わくばソフトの電池切れ前に、はるか昔金版で捕まえた色違いのニドランを連れて来たかった…というのは過ぎた願いかもしれません。
厳選などを覚える前に出会ったポケモンは本当に、一期一会ですね。

私がVCではないソフトでプレイした第二世代のソフトは金版だけなので、これでクリスタルは初プレイになります。
主人公の性別が選べたりと様々な革新があったらしいので、どれだけ変わっているのかが楽しみです。

それでは、来週もまたよろしくお願いします。

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