Tsareenaの名前の由来・設定考察
技名、かぁ
Tsareena
Pokemon Sun
“Its long, striking legs aren’t just for show but to be used to kick with skill. In victory, it shows off by kicking the defeated, laughing boisterously.”
詳しい内容は “続きを読む” から。
概要
第七世代で登場した、アマージョです。
特定の技を覚えることで進化するというのは、実は第四世代の追加進化組以来出ていなかった方法になります。
追加進化が関連せずにこの特徴を持つのは、実は他に同世代『USUM』追加のアーゴヨンのみです。
性能面では、草単で物理に寄っている、やや珍しめの能力配分です。
一般ポケモンながら専用技・特性の両方を持ち、攻撃的な見た目と能力に反してサポート方面に優れた性能をしています。
Tsareena (Fruit Pokemon)
царица “tsarina/ロシア語：女王” + Mangosteen “マンゴスチン” のようです。
純粋な英語にはなかなか存在しないスペルをしているのは、外国語が絡んでいるからですね。
ロシアなどのスラブ語圏で使われた君主の名称である「ツァーリ」の女性形が tsarina となるそうです。
mangosteen は「果物の女王」とも呼ばれる熱帯を産地とする果実です。
マンゴーとは別物で、名前の系統関係もはっきりしません。
ただ、どちらもマレー語あたりが由来になっているそうなので、現地後を細かく調査していけば共通の意味が抽出できる可能性はあります。
いずれにせよ、女王というモチーフはここから来ているということになります。
図鑑説明と設定
“Its long, striking legs aren’t just for show but to be used to kick with skill. In victory, it shows off by kicking the defeated, laughing boisterously.”
“長く、美しい脚は見掛け倒しではなく、巧みな蹴りにも用いられる。勝利に際し、敗者を蹴って高らかに笑い、自慢する。”
あんまりマナー良くないですよそれ。
not just for show や with skill あたりは逐語訳すると変になるので、やや主義に反しますが成句として扱っています。
蹴りを得意とするのは、専用技の Trop Kick “トロピカルキック” にも現れています。
これは dropkick (両足での飛び蹴り)とかかっている名前なのですが、日本語版だと伝わらないですね。
日本語になることで伝わらなくなってしまう技名もいくつかありますし、もちろん逆も結構あります。後者の有名どころだと Curse “のろい” です。
蹴り技ついでに、Low Kick “けたぐり” と Low Sweep “ローキック” という紛らわしいものもあります。
これについては、単にけたぐりの英語名が Low Kick なのに、後の世代でローキックが追加されたせいです。
固有の特性の方は、Queenly Majesty “じょおうのいげん” です。
-ly というと多くは副詞化の接尾辞ですが、friendly や queenly のように形容詞化させるものもあります。
この2種類は古くはそれぞれ違う形態をしており、形容詞化させるこちらは前置詞 like と同源だとされます。
-like “-のような” なので、queenly は queen っぽいということであり、実際にそうであるかはあまり関係ないということですね。
実際、大貴族である女王というよりは、いわゆる「女王様」の様相が強くなっています。
英語では「それ」は dominatrix と呼ぶらしいので、女王がどうこうの部分は日本的なのかもしれません。
さて、今週のポケモンはアマージョでした。
「技名」というリクエストから始めたのですが、思ったより話が広がりましたね。
ネタ切れしていることが多いので提案は助かります。採用するかどうかは引き出し次第ですが……
それでは、来週もまたよろしくお願いします。
参考文献
Bulbapedia
Wikipedia Mangosteen Tsarina
Wiktionary
Online Etymology Dictionary