Pokemon of the Week 80: Relicanth

新元号初めての通常回です。
はじめにジーランス。

Relicanth
“A POKéMON that was once believed to have been extinct. The species has not changed its form for 100 million years. It walks on the seafloor using its pectoral fins.”

Pokemon Emerald Version

翻訳・解説は “続きを読む” から!



概要

第三世代、ルビーサファイアのポケモン、ジーランスです。

無進化レアポケモンで水中に出現と、世代を象徴するポケモンかもしれません。

性能面では、物理面はH100/B130と、クレセリア(HB120)に迫る耐久を持ちます。

攻撃力自体は平凡ながら、もろはのずつきを一致・反動踏み倒しで使え、その威力に任せた火力も備えています。

概して、同期のレアポケモン、トロピウスや(通常)アブソルとは比にならぬ戦闘力と言えるでしょう。


名前の由来

Relicanth (Longevity Pokemon)

Relic “遺物” + Coelacanth “シーラカンス” と思われます。

relic は元々が宗教用語で、聖人の遺体の一部などの聖遺物を表します。

フランス語式に relique と綴られることもあります。

日本語名では、爺 + シーラカンスと考えると、多少のキャラ付けの違いがみられるかもしれません。

なお、分類名の Longevity “長寿” は日本語の名前に相当します。

long には length “長さ”、longitude “経度”、longevity “長寿” と名詞形が豊富です。

-evityという派生接辞というわけでもなく、aevum “ラテン語:年月” との複合語です。

age “年、時代”、medieval “中世の” や eternal “永遠の” とこの語源を共有します。

シーラカンスの生態

シーラカンスは、現在2種のみの生存が確認されている種です。

古代で絶滅したと思われていましたが、1938年に生き残ったものが確認されました。

「シーラカンス」は広い種の名称で、大半は絶滅したが、2種のみが現代に残る、という言い方が誤解がないかもしれません。

古代では、様々な種類が世界に幅広く生息していたそうです。

その古代性を示す特徴の1つとして、脊椎が発達する前の脊索という柔らかい組織を成体まで維持します。

硬い鱗を持つのも古代魚の一種としての特徴で、鎧のように機能するそうです。

また、尾びれの組織の中が空洞であり、これが「空洞の尾」の意を持つcoelacanthus (ギリシア語由来ラテン語)の名の由来です。

退化した肺のような組織を持ち、陸生生物の祖先であると目されたこともあるそうです。

しかし、現在では、陸生生物の祖先により近いのはさらに旧く種として分かたれたハイギョというのが通説のようです。

「生きている化石」と呼ばれる通り、現生種の遺伝子が数億年前の絶滅種からほぼ変化していないそうです。

生態についてはまだ多くが謎のようですが、どうやら60年以上の寿命を持つ可能性が高いと言われます。


図鑑説明と設定

“A POKéMON that was once believed to have been extinct. The species has not changed its form for 100 million years. It walks on the seafloor using its pectoral fins.”

“かつては絶滅したと信じられていたポケモン。この種は1億年の間、その姿を変えていない。海底を、胸鰭を使って歩き回る。”

「大過去のhave」ですね。かなり苦しめられる仕組みです。

既に述べられた動詞から、時間の流れに逆行する時に、大過去が用いられます。

ここでは be believed “信じられていた” のが be extinct “絶滅していた” より後の事象なので、大過去になっています。

ちなみに、この図鑑説明は現実のシーラカンスといくつか差異があります。

先に述べた通り、シーラカンスの古さは1億年どころではないというのが一点。

また、「胸鰭で海底を歩く」は、かつて信じられていた移動方法ですが、現在では否定されているらしいです。

シーラカンスはそのヒレで歩くのではなく、泳ぎます。

ヒレが普通の魚より多い結果、通常は不可能な左右や後方への移動もできるらしく、なかなか器用です。

はじめに じーらんす

そんなジーランスは、レジ系の封印を開く鍵の1つでもあります。

どうも都市伝説に付きまとわれる彼らですが、なぜここでジーランスとホエルオーだったのでしょう。

1つには、第三世代のテーマとの関連という説があります。

方や海深くに潜り、そのままの姿を保ったシーラカンス。
方や陸に上がって進化し、そして海に帰ったクジラ。

また1つは、同じく古代に関連するレジ系と同様、その過程での数億年という長い時間を示すという説です。

さらに、ジーランスの特徴的な模様が封印の場所を示す海図という説も挙がっています。

確かに意味ありげな赤斑点ですが、その信頼性は有志の検証画像をご覧ください。


今週は、初めにふさわしいと思ったポケモンです。

英語版でのレジ系の石碑についても語ろうと思ったのですが、思いの外シーラカンス話が盛り上がってしまい…

その話は、いつかのレジ本体に譲ろうと思います。

それでは、来週もまたよろしくお願いします。

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参考文献

Wikipedia
/vp/ – Pokemon
Online Etymology Dictionary
Bulbapedia

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