Trevenantの名前の由来・設定考察
ゴルーグ、バニリッチと出演内定していますが、
アートディレクターがデザインだからなのでしょうか。
Trevenant
Pokemon Ultra Moon
“This Pokémon controls trees via roots stretching from its feet, and it will attack anyone that dares to ravage the forest.”
翻訳・解説は “続きを読む” から!
概要
第六世代・XYで登場した、オーロットです。
同世代の草・霊のパンプジンとは、進化前の出現場所も似ていてほんのり仲間です。
タイプ付与の独特な専用技を持っていることも共通です。
両者ともゴーストなため、草としては異例の鬼火も習得できます。
夢特性のしゅうかくも組み合わせての、無限回復戦法も個性としています。
なお、アローラゴローニャを除けば、実は通信進化は6世代が最後です。
名前の由来
Trevenant (Elder Tree Pokemon)
Tree “木” + Revenant “亡霊” と思われます。
形としては revenant の頭にtをつけただけながら、見た目を的確に表しているネーミングです。
revenant はラテン語 venio “来る” を語源にする単語の1つです。
これは、イタリア語、フランス語、スペイン語にもほぼ同形・同義で伝わっています。
接頭辞 re- を伴って、フランス語 revenir “戻ってくる” から英語に借用されました。
revenue “収入” もここから枝分かれした言葉です。
revenant の文字通りの意味は「帰還者」、「亡霊」は転じた意味です。
このタイトルの洋画もありますね。
FF12の外伝の副題が Revenant Wings らしいですが、こちらは文字通りの意味かと思っています(内容は全く知りません)。
図鑑説明と設定
“This Pokémon controls trees via roots stretching from its feet, and it will attack anyone that dares to ravage the forest.”
“このポケモンは足から伸びる根を通じて木々を操り、森を荒らそうとするもの全てを攻撃しようとする。”
dare は特殊な単語で、動詞と助動詞の中間に位置します。
「あえて-する」という意味合いからか否定的な文脈で使われやすいです。
How dare you do that? (よくもそんなことができるものだ)
と非難する言い方の時は助動詞として機能していますし、
I didn’t dare to say that. (あえてそのことを言おうとはしなかった)
と時制変化と噛み合うのは動詞としての用法です。
稀かつ非正式の用法とされていますが、
No one dared say no. といったように助動詞の用法で時制を持つこともあります。
can / could の変化のように、助動詞があるときはそちらが時制を帯びるので、言語のシステムとしては自然なことと思われます。
助動詞として現在時制のマーカーの -s を付与されることも、より少ない例ながらあるようです。
日本語と複数形
上で trees を「木々」としましたが、これは複数形がないという日本語の例外的事象です。
畳語の形では、日本語でも複数形に相当する意味を表せます。
(人々、神々、星々など)
もちろん全ての語彙に適用できる訳ではないので例外的です。
(*米々、*鳥々、*車々)
なお、-たち、というのは複数形とは毛色が違い、
委員長たちが来た、の「委員長たち」はそれに代表される集団であって、委員長の集合ではありません。
これらのある意味中間的なのは、スペイン語などで性別の情報を含む単語の複数形かもしれません。
niño “男の子”、niña “女の子” について、一人でも男性が集団に含まれていればそれは niños で、niñas は女の子だけの複数です。
不平等を感じますが、現状の文法システムとしてはこういった事実です。
もちろん複数形であるので、前述の-たち、のように子供以外の構成員を含むことはできません。
ただし、上記のヨーロッパ言語で複数形は義務的であるのに対して、日本語の畳語は(適用できるものでも)任意です。
この点で、文法規則としての複数形は確かに存在せず、語形成の手段の1つとしてこれがあるということになりそうです。
今週は久々に言語の話を多めにできました。
オーロットもまた、James Turner氏のデザインらしいですね。
まだ登場が内定していないですが、氏デザインの他ポケモンと同様に登場するのでしょうか。
既存ポケモンの登場をここまで気にする日が来るとは思いませんでした…….
それでは、来週もまたよろしくお願いします。
参考文献
Wikipedia日本語版
Online Etymology Dictionary
Wiktionary
Corpus of Contemporary American English