Pokemon of the Week 39: Frillish

Frillishの名前の由来・設定考察

早いところでは夏休みが始まったようですね。
夏と言えば海、の印象があります。

Frillish 
“With its thin, veil-like arms wrapped around the body of its opponent, it sinks to the ocean floor.”

翻訳・解説は “続きを読む” から!




概要

第五世代、ブラックホワイトで登城したポケモン、プルリルです。

ストーリー中の全ポケモンが新規というBWにおいて、メノクラゲのような水上の一般エンカウントを務めました。

性別によって姿が大きく異なるのが特徴で、オスは青、メスはピンクを基調としています。

系統の固有タイプである水・ゴーストが、独特かつ優秀な耐性を備えているのもポイントです。


名前の由来

Frill “フリル” + Jellyfish “クラゲ” と思われます。

クラゲの触手を洋服のフリルに見立てたデザインを割と直球で表しています。

日本語名は同様に プルプル + フリル でしょうか。

特に、プルリルには貴族あるいは王子/王女のモチーフが取り入れられていると思われます。

これは、進化後のブルンゲルの英語名からも推測できることですが、ひとまずプルリル単体の情報からだけでもそれを見いだせるのが、分類名の「ふゆう」です。

英語版だと何の変哲も無い floating “浮いている” ですが、日本語の「ふゆう」は「浮遊」と「富裕」の2通りに解釈できます。

こういったダブルミーニングは翻訳の際に難しいのでしょうね。
プルリルについては単独では貴族要素が結果として抜け落ちてしまっていますが、進化後の名前からは類推できたりと工夫は見られます。

ちなみに、このポケモンには「プルンス」なる開発途中の名前があったらしいです。(Bulbapedia)

こちらだと、名前自体が王子の要素を回収することになります。
メスの姿とやや噛み合わないので没になったのでしょうか。


図鑑説明と設定

“薄く、ベールのような腕で相手の体を包みながら、海底へと沈んでいく。”

ゴーストタイプの図鑑説明が怖いと言われ始めたのはこのBWのころからだったかと思います。

初代のゲンガー系統なんかも危険度で言うと大差無いと思うのですが、危機感ではなく恐怖を煽るのは最近のゴーストの特徴かもしれません。

英文は、「付帯状況のwith」というやつです。

with his eyes closed “(彼の)目を閉じたまま” というのがおそらく最もメジャーかと思います。
ここまでwith以下が長いのは稀な方です。

with its arms wrapped “腕が巻きつけられた状態で” というのに修飾句を加えに加えてこのようになっています。

ポケモンの設定としては「クラーケン」や「海坊主」のような、海に引き摺り込むタイプの怪物に近いです。

世界各地にこのような怪物の伝承があるので、一概にそのうちのどれが元ネタとは言えなそうです。
ただ、どんな文化圏でも怪物を仮定するほどに海の恐怖は普遍的だということでしょうね。

のろわれボディ

このポケモンのアイデンティティとして見逃せないのが、「のろわれボディ」という特性だと思います。

英語版も Cursed Body “呪われた体” なので、ほぼ変わりません。

初見ではデメリット特性にすら見える独特の名前のポイントは、「ボディ」という英語の捉え方にありそうです。

英語などでは「体」と「命/魂」は別にあるという意識が強いように思われます。

それが body という単語の意味とも関連しているようです。
body は「体」ですが、時に「遺体」という意味でも使われます。

found a body と言われたらまず、魂は抜けています。

もともとは単に「体」だった corpus が遺体のことしか表さなくなったのも関連があるかもしれません。

そこには、キリスト教などの宗教による魂の見方が関わっているのかもしれませんが、あくまで可能性の一つです。

とは言え、体と魂が別というヨーロッパ的な考え方の存在は認められると思います。

「のろわれボディ」の例で言うなら、体が呪われていることは精神に差し支えることとは別で、実際大した問題ではない、とも考えられそうです。


今週は、海+ちょっとホラーで、夏らしいポケモンを扱いました。

クラゲを見ると癒されますよね。
疲れた時にぴったりです。

呪われるのは遠慮したいですが。

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