英語の歴史 (スタンダード英語講座)
不規則変化などの背景がわかります
何らかの形で英語を指導することのある人におすすめです
1, 2年程前にも読んだのですが、また新しい発見が。
年代で辿る英語の姿
先住民時代のイギリスから、英語の姿を辿っていく構成です
語源に関する記述は全編を通して多いです。
同源の単語が取り入れられる時代によってスペル・発音・意味において異なってくるdoubletについて、
同じ意味の語が衝突した場合の意味変化・同義語の階層など、
英単語を見る目が変わります
文法規則についても、現代の英語で不規則とされるものが古い変化体系の名残であるなど具体例と共に示されます
不規則動詞がなぜ存在するのか、be動詞の形態がなぜそれほど多岐に渡るのか、と素朴な疑問への回答になる情報が大量です
個人的には、中学生からの(半ば英文法への文句のような)なぜ、の質問に対応できるので重宝しています
試験で使わないから知らなくていい、は禁句だと思っています。
この本のおかげでそういった質問を正面突破できます
理解のために
ありがたいことに、各章の最後に「研究課題」としてその章の要点に関する問題が与えられます
理解が半端だとここで「わかってないから読み直しなさい」と言われるシステムのおかげでわかるまで読むことになります
また、一般的なレベルの欧州史・地理の知識を前提にされているのでそれらがないと結構厳しいと思います
私は地理弱なので前半の地名の歴史に相当難しかったです
+αのレベルで地理や世界史に詳しければ別の面白さがあると思いますし、他のヨーロッパ言語の知識も面白みを加えるはずです
私はドイツ語と古典ラテン語の知識を念頭に置いて読むことで以前より面白く感じました
英語を教えることのある人、語源や文法に興味のある人、
ヨーロッパ地理や世界史が好きな人におすすめです
出版年は古めですが、提示される多量のデータは時間を超えて有効だと思います。